身だしなみで心にハリをだす!ご高齢者の顔・髪・耳・鼻・爪のお手入れポイント!

仕事内容

洗顔や髭剃り、爪切りなど、身だしなみを整えることを「整容」といいます。整容は清潔を保つだけでなく、気持ちを前向きにする効果もあります。今回は、在宅介護でも役立つ顔・髪・耳・鼻・爪のお手入れのポイントをお伝えします。

顔・髪のお手入れ

洗顔

洗顔料やタオルなど、必要なものは手元にそろえておきましょう。 洗面所で顔を洗う場合は、立位がとれる方でも身体を曲げるときに不安定になることがあります。バランスを崩しやすい方は、いすに座って洗顔しましょう。立ったまま行う場合は、洗面台で身体をしっかりと支えるようにしましょう。

水道の蛇口を写真のようなレバーハンドル式にしたり、「水道栓回し(蛇口をひねりやすくする補助器具)」を取りつけたりすると、負担が少なくなります。また、昇降式や車いす対応の洗面台などもあります。

寝たきりの方や体調がよくない方は、蒸しタオルで顔をふいていただきましょう。 介助をする場合は、蒸しタオルで上から下(額→目→鼻→頬→顎)に向けてふきます。 目をふくときは、目頭から目尻へとやさしくふきましょう。(目元は、一度ふいたタオル面で二度ふかないようにしてください。)目やにが固まっている場合は、蒸しタオルを当て、目やにをやわらかくしてからふきとります。

髪剃り

髭を剃る場合は、安全性の高い電動カミソリを使うとよいでしょう。蒸しタオルを顔に当ててから、髭を剃り、再び蒸しタオルでふいてローション等をつけ、保湿をします。 できる部分はご本人にそ剃っていただき、できない部分や剃り残し部分は介助者が手伝いましょう。

※介護職員(ヘルパーを含む)の場合は、カミソリでのひげそりはできません(電気カミソリは使用できます)。

ブラッシング

肩にタオルなどをかけ、鏡を見ながら、やさしく髪をとかしましょう。 軽くて柄の太いヘアブラシを選ぶと、負担が少なくなります。腕が上がりにくい方や関節に痛みがある方は、持ち手が長く、角度のついたものを選ぶとよいでしょう。 髪がもつれている場合は、無理に引っぱらず、毛先からゆっくりとかします。また、ブラッシングの前に蒸しタオルで頭を包むと、とかしやすくなります。

お化粧(メイクアップ)

洗顔のあとに化粧水や乳液でお肌を整えます。ときには、お化粧(メイク)を楽しむこともおすすめです。 お化粧(メイク)には、自信や社交性を高めたり、認知症を防いだりする効果が期待できます。スキンケアやお化粧(メイク)は、できるだけご本人に、鏡を見ながらやっていただきましょう。

耳・鼻のお手入れ

耳のお手入れ

ご高齢の方は、耳あかがたまって耳が聞こえにくくなることがあるため、こまめにチェックしましょう。 乾いた耳あかは耳かきを、湿った耳あかは綿棒を使用してとりのぞきます。お風呂上がりにお手入れすると、耳あかがとれやすくなります。介助をする場合は、不安にならないよう必ず声をかけながら、無理をせず静かにとりましょう。  

※介護職員(ヘルパーを含む)は、耳垢栓塞の場合は耳のお手入れをすることはできません。  

鼻のお手入れ

蒸しタオルで鼻の周囲を温め、鼻汁が出る場合は鼻をかんでいただきます。 鼻汁のかたまりは、お湯やオリーブオイルなどで湿らせた綿棒を軽く回しながら、静かにとりのぞきましょう。鼻毛は、専用のハサミを使ってカットします。

爪のお手入れ

爪切り

高齢になると、爪は硬くなり割れやすくなります。 爪切りは、できるだけ爪がやわらかくなっている入浴後、または手浴(しゅよく)や足浴(そくよく)の後に行いましょう。入浴などが難しいときは、蒸しタオルで温め、クリームなどで保湿してから行うと切りやすくなります。 介助をする場合は、痛くないか確認しながら、深爪にならないように注意しましょう。

爪切りのポイントは、少しずつ少しずつ切ることです。足の爪は巻き爪を防ぐために、爪の両角を真っすぐに切ります。 引っかかるところがあったら、爪ヤスリをかけて整えてください。

分厚い爪や巻き爪の場合は、専用の爪切り等もありますが、切るのが難しいときは皮膚科などに相談してみましょう。

※介護職員(ヘルパーを含む)は、爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、爪切り・ヤスリがけを行うことができます。

最近は、ネイルカラーを積極的に楽しむシニア世代の方も増えてきました。ご高齢者などを対象とした「福祉ネイル」というネイルサービスもあります。 爪や皮膚に負担がかからないよう注意が必要ですが、ネイルカラーにもメイクと同じく心身を元気にする効果が望めます。

まとめ

自助具などを活用しながら、できる部分はご本人にやっていただくことが自信やリハビリにつながります。介助をする方は、できない部分をさりげなくお手伝いしましょう。また、「きれいになったね」「すっきりしたね」と前向きな言葉をかけ、整容(身だしなみ)を習慣づけていきましょう。

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