高齢者がかかりやすい病気や予防方法について解説！

今回は高齢者がかかりやすい病気や予防方法について解説します。高齢者の身体の特徴や原因を理解して健康でいれれるように心がけましょう！

高齢者の身体の特徴
高齢者がかかりやすい病気
気をつけたい感染症
病気にかからないためには、どうすればいいか？できるだけ健康な生活を送るためには、どのようにしたら良いでしょうか？

高齢者の身体の特徴

①回復力の低下

高齢者は「病気にかかりやすいが治りにくい」という特徴があります。それには回復力の低下が影響しています。回復力が低下していくと、免疫力も低下していくので、ウイルスなどに感染しやすくなります。若者が一日で回復する病気でも高齢者だと長期間回復まで時間がかかってしまいます。

②臓器機能の低下

年齢を重ねると、長年臓器を使用することによって臓器機能が低下します。しわやたるみ、白髪など目に見える部分に表れると、年齢の変化を実感しますが、体内にある臓器も同様です。

③複数の病気を抱えやすい

高齢者は、複数の病気を抱えてしまう可能性が高いです。例えば2型糖尿病の診断がついている方は、糖尿性神経障害や糖尿性網膜障害など、糖尿病に付随した病気になることがあります。 1つの病気で入院しても、入院後に他の病気が発見されたり、発病したりというケースも少なくないです。

④恒常性維持機能の低下

恒常性維持機能とは、自立機能を司る部位です。例えば気温に合わせて体温調節をしたり体内の水分バランスを調整したりします。その恒常性維持機能が低下すると、脱水症状になりやすいです。

⑤日常生活動作が低下しやすい

高齢者は筋力など全身機能が衰えやすく、日常動作全般で介助が必要になることがあります。風邪で数日寝込んだ後に体を動かそうとすると、体が怠い感じがしないでしょうか？それと同じで高齢者も寝たきりの状態が続くと筋力が低下し、元の筋力に戻るのに時間がかかります。病気や怪我で長期間入院すると廃用が進んでしまうことがあります。

高齢者がかかりやすい病気

①癌

日本の死因ランキングで第１位が癌(悪性新生物)です。高齢者の場合、癌が進行してから発見されることが多いですが、治療の適応であれば、抗がん剤などを行うこともあります。癌を予防することは難しいですが、定期的な診察を受けて、体調に変わりがないかを確認しておくことをオススメします。

➁肺炎

肺炎は高齢者がかかりやすい病気の１つです。以前は日本の死因ランキングで第1位でしたが、抗生剤などの治療法が増えたこともあり、順位は低下傾向です。肺炎には間質性肺炎、細菌性肺炎などがありますが高齢者に多いのが誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎は食道から胃に入る食べ物が誤って病原菌と一緒に気管に入り込んでしまうことで、引き起こせれます。原因は嚥下機能の低下で治療して改善したとしても、また繰り返す可能性があります。そのため食べ物の形態を一口大や刻み食にするなど、飲み込みやすいよう工夫した方が良いでしょう。

③脳疾患

脳疾患は脳梗塞や脳出血などを指します。脳疾患は生活習慣病が原因で引き起こされることもあれば、事故などで頭を強くぶつけて発症する場合があります。治療後も後遺症として手足の麻痺や高次脳機能障害になってしまうことがあり、日常的な介護が必要となることがあります。

④心疾患

心疾患は日本の死因ランキング第2位の疾患です。何らかの理由により、心臓がうまく機能しない状態を指します。心臓は体内に血液を運ぶために、常にポンプのような働きをしています。年齢を重ねると、ポンプ機能がうまく機能しなくなったり、心臓の周りの機能に支障が生じます。心疾患の中で多いのが、心不全、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)、心臓弁膜症です。

⑤認知症

年齢を重ねると避けて通れないのが認知症です。年齢を重ねると、段々と脳が萎縮し、認知機能の低下に繋がります。認知症になると、身の回りのことが１人でできなくなることが多く、介護が必要になる病気の原因とも言えます。

気をつけたい感染症

①インフルエンザ

インフルエンザウイルスに感染することで発症します。空気が感染しやすい冬に感染が広がることで多いです。３８℃以上の発熱や関節痛、倦怠感などが表れます。免疫力が低い高齢者が感染すると、重症化してしまう可能性があります。ワクチン接種するなどして予防を心がけましょう。

➁ノロウイルス

ノロウイルスは体内に入ると嘔吐や下痢などの胃腸症状や、発熱などが見られます。ノロウイルスに汚染された食品、特に貝類(牡蛎などの二枚貝)などが原因になることが多いです。インフルエンザ同様、空気が乾燥しやすい冬に感染が広がることが多いです。感染経路は飛沫感染、接触感染、経口(糞口)感染、空気感染のため、十分な手洗いとうがいで予防を心がけましょう。

③尿路感染症

尿路感染症は細菌が尿道から膀胱内に侵入することで引き起こされる病気です。排尿時の痛みや残尿感、頻尿、尿が濁るなどの症状が表れます。感染する場所によって、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎などに分かれます。予防策としては、水分しっかり摂って排尿を促すこと、排尿を我慢しないようにしましょう。

④MRSA感染症

高齢者でよく見られるのがMRSA感染症です。 MRSAとは黄色ブドウ糖球菌が耐性化した物を指します。黄色ブドウ球菌は人や動物など、様々なところに存在しています。健康な人にとっては無害でも抵抗力の低い方が感染すると重症化してしまう恐れがあります。重症化すると肺炎や心内膜炎、敗血症など、命に関わる病気です。