トロミ剤とは?つける理由・種類・使い方を解説!

医療・健康

トロミ剤とは?

トロミ剤とは、飲み物や食べ物を喉へゆっくりと送るために、とろみをつけるための調味料のことです。 トロミ剤の特徴 ・加熱しなくても、短時間でとろみをつけることができます。

・使用量の目安が明記してあるので、使いやすい 高齢になると飲み込む力や飲み込む力が衰えてきます、食事を上手く飲み込めない、食べ物がつかえる、むせるなどの症状が現れることがよくあります。 高齢者の方には飲み込みが遅く、サラサラとした飲み物が気管に入ってむせてしまう場合があります。 トロミ剤は嚥下が難しい高齢者の方の食事をサポートするための調味料です

介護食でとろみが必要な理由

介護食にとろみが必要な理由は、誤嚥を防ぐためです。 誤嚥とは、加齢により飲み込む筋力が落ちてきたこと(嚥下障害)が原因で、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうことを言います。 食べ物や唾液に含まれている細菌が肺に入ると炎症を引き起こし、誤嚥性肺炎を発症するリスクもあります。 介護食のトロミの役割は、二つあります。

・食べ物や飲み物を喉へゆっくりと送る。

・食べ物をまとまりやすくし、簡単に飲み込めるようにする。

食事にトロミをつけることで、飲み込みが弱い方でも安全に食事ができます。 飲み込む力が弱くなると食事量が減少し、食事からの摂取できる栄養が不足したり、偏ったりします。 すると低栄養に陥ってしまう可能性が高くなってきます。

高齢者の嚥下障害にはレベルがある

以下のレベルの食事形態から、どこまでを苦痛なく食べれるかによって分類します。

・レベル0(嚥下訓練食・開始食) グレープゼリーなど

・レベル1(嚥下訓練食) 茶碗蒸しなど

・レベル2(嚥下訓練食) フォアグラムースなど

・ レベル3(嚥下食) 水ようかん、卵料理など

・ レベル4(介護食) こしあん、かぼちゃのやわらか煮など

・レベル5(普通食) しいたけ、ロールパンなど

レベル0の食事しか食べれない方は重度の嚥下障害の可能性が高いです。 レベル5の普通食を食べられる方は、嚥下障害の可能性は低いです。

トロミ剤の種類

トロミ剤は、その濃度によって3種類に分けられます。 以下でそれぞれについて説明していきます。

薄いトロミ

薄いトロミは、スプーンを傾けると滑らかに流れます。口の中でぱっと広がる感じです。飲み込むのにあまり力が必要ないので、ストローを使えば簡単に飲み込めます。

中間のトロミ

中間のトロミはスプーンを傾けるとゆっくりと流れます。トロミが実感できる程度で容易に舌の上でまとめることができます。 飲み込むために少し力が必要で、太いストローであれば飲み込めることができます。

濃いトロミ

濃いトロミは、スプーンを傾けても流れにくいです。 しっかりトロミを感じることができ、口の中ですぐにまとまります。 飲み込むのに力が必要で、ストローではなく難しくスプーンを使います。

トロミ剤の使い方

トロミ剤の基本的な使い方を、トロミ剤の種類ごとに説明します。 特に注意すべきポイントは後述するので、ここでは基本的な使い方にとどめます。 使用量はヘルシーフード株式会社の商品「トロミパワースマイル」を例としてあげます。

薄いトロミ

・トロミ剤を以下の分量だけ飲み物に入れて、30秒ほどかき混ぜます。 100~150ml:小さじ1/2杯 160~200ml:小さじ1杯 ・2,3分ほど待ち、溶けていなければ再度、混ぜましょう。

中間のトロミ

・トロミ剤を以下の分量だけ飲み物に入れて、30秒ほどかき混ぜます。 100~150ml:小さじ1杯 160~200ml:中さじ1杯 ・2,3分ほど待ち、溶けていなければ再度、混ぜましょう。

濃いトロミ

・トロミ剤を以下の分量だけ飲み物に入れて、30秒ほどかき混ぜます。 100~150ml:中さじ1杯 160~200ml:大さじ1杯 ・2,3分ほど待ち、溶けていなければ再度、混ぜましょう。

トロミ剤を使用する際の注意点を4点説明

食べる方に合ったトロミをつける

トロミをつけすぎると、口や喉に張り付いて飲み込みにくくなってしまい、喉に詰まったり気管に入ったりしてむせたりします。 誤嚥や窒息の原因になる可能性もあるので、つけすぎには注意が必要です。 食べる方の嚥下能力に合わせた濃度にしましょう。 どの程度のトロミが適切かは自己判断せずに医師や管理栄養士、薬剤師などに相談するのが良いでしょう。

正確に計量する

トロミ剤ごとに使用量が決まっています。 使用量を守ることはもちろん、スプーンで計る際はすりきりにし、使用する計量容器は毎度同じものを使用しましょう。

ぐるぐる混ぜない

トロミ剤を溶かす際は、ぐるぐる混ぜるよりスプーンを縦に往復させる方がダマができにくくよく混ざります。 また、マドラーを使用するのも混ぜやすいのでおすすめです。 ダマがなくならない時は取り除きます。ダマを飲み込んでしまうと喉を詰まらせてしまう危険性があります。 しっかりと溶かせていることを確認をしてから食べるようにしましょう。

再調整時は、濃いトロミ液を作り混ぜる

一度トロミをつけたものにさらにトロミを加えて濃くしたい時は、別の容器に濃いトロミ液を作って元の飲み物に混ぜましょう。 なぜなら、一度にトロミをつけたものにトロミ剤を新たに加えると、ダマができやすいからです。

最後にトロミ剤は先入れか?後入れか?で悩まれている方はこちらの動画を参考にしてみて下さい。

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